【2通目】もう一つの、夏休み。~夏休みに読みたいおすすめ児童書3選(年齢別)~
はじめに ~短い夏休みを本で充実させよう~
コロナ禍による春の長期休校の影響で、私の高校は夏休みがなんと例年の半分になってしまいました……。小学生・中学生の子どもたちにも、私と同じように夏休みが短縮されてしまった子もたくさんいることでしょう。
さて、そんな短い休みでは長い旅行に出かけることもできません。そこで、頼れるのはやっぱり本の世界です。
この特集では、世界中の子どもたちの夏休みを本に入り込んで楽しめる作品を集めました。ぜひ、短い夏休みを「本」の中の仲間と楽しんでみませんか?
幼児~小学校低学年向け
『はちうえはぼくにまかせて』
ジーン・ジオン 作
マーガレット・ブロイ・グレア厶 絵
森比左志 訳
ペンギン社
小学校中学年~高学年向け
『魔女がいっぱい』
ロアルド・ダール 作
クェンティン・ブレイク 絵
清水達也 鶴見敏 訳
評論社
髪の毛がない、爪がない……。これは「ぼく」がおばあちゃんから教えてもらった魔女の見分け方。
「ぼく」は夏休みにおばあちゃんを訪ね、世の中には魔女がたくさんいることを教わります。そんな「ぼく」はひょんなことから「英国児童愛護協会」の集会に紛れこんでしまいます。けれども、実は、その集会に集まっていたのは魔女ばかりで、イギリス中の子どもをネズミに変えようと計画していたのです……。
スパイスの効いた面白さとスリルがくせになる作品で、そのダールらしいラストも必見! ユニークなブレイクの線画も、ストーリーとの相性が最高です。怖い本が好きな男の子にもオススメです。
この本を読むと、現実世界の女の人にも魔女がいるのでは、とスリルを楽しめます(笑)
小学校高学年~中学生向け
『夏の庭 The Friends』
湯本香樹実 作
葬式から帰った山下の言葉に感化されて「人が死ぬのを見てみたい」と思うようになる主人公の木下と友人の河辺。小学6年生の3人は、河辺の提案で、町の外れで独りで暮らしているおじいさんを密かに見張ることにします。
夏休み、3人はいつの間にかおじいさんと話すようになり、ゴミ出しや草むしりなどを手伝い始めます。そんな中、台風の日に心配になっておじいさんの家に集まった3人に、おじいさんが語った話とは……?
「死」に対して前向きに捉え、「生」を謳歌することの尊さや美しさを描き出す作品です。おじいさんと少年たちとの世代を超えた絆は、3人を成長させてくれますが、それと同時に、読者の子どもたちも一回りも二回りも大きくしてくれます。
読書感想文にもピッタリなのですが、決して説教臭い物語ではなく、私は同世代の主人公たちに感情移入しつつ一気に読めてしまいました。
まとめ
この記事では充実した夏休みを過ごすために子どもたちに読んでほしい作品を3冊紹介しました。せっかくの夏休み、自由に使える時間を少しだけ読書に費やしてみませんか?