本好きフクロウの速達便|ただ児童書を紹介したいだけのブログ

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「読み聞かせは英語でするな」と言い切れる3つの理由

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子どもへの読み聞かせは、日本語で大丈夫

「読み聞かせ 英語」と検索すると、英語での読み聞かせを推奨するたくさんの記事が出てきます。しかし、それらの上位に表示されているサイトを見てみると、ほとんどが、英語教育のサイトやそれを模倣した記事ばかりです。

 

内容はこんな感じでしょうか。

  • 机に向かう勉強以外の方法で、小さいうちから英語に慣れさせよう
  • 親の発音に自信が無ければ、朗読CDや動画でも大丈夫
  • 英語の語彙が増える
  • 大人の英語の勉強にもなるかもしれない
  • とにかく、子どもと英語に触れる時間を楽しむことが大切

 

英語教育のサイトなんだから、「読み聞かせでもなんでも、英語でやるのが一番良い」と主張するに決まっています。

 

 

この記事では、英語教育としてではなく、「一人でも多くの子どもが本と親しめますように」という思いで、なぜ、読み聞かせを私たちの母国語である日本語でするべきなのか綴っていきます。

 

理由➀ 読み聞かせは、教育を受けるための土台作り

先日投稿した記事「結局、読み聞かせって必要?」

booklover-owl.hatenablog.com

 で書いたことを引用すると、

読み聞かせには、一人読み(そして将来の本の虫)への下地作り、という側面があります。読み聞かせが、一人読みへの基礎体力になるんです。

つまり、お母さん・お父さんは、読み聞かせを通して。子どもに文章のつながり方やお話の典型的な進み方、さらには、読書の楽しさを教えることになるんです。

 

読み聞かせとは、子どもが「本の楽しみ方」を知り、一人で本を読み漁れるようになるために、必要不可欠!

多くの子どもにとって、「読み聞かせ」とは、「生まれて初めて出会う、自分の経験ではない出来事やストーリー」です。

 

だから、まずは、子どもたちが、「自分以外の誰かに起きた出来事を追体験する」ということに慣れなければいけません。これこそが、先程引用した「本の楽しみ方」につながるわけです。

 

この追体験」は、英語などの教育よりももっともっと前の段階だと言えるでしょう。

 

なぜなら、こうした「追体験」はこれから小学校に入った後、先生の話に耳を傾けたり、友達とおしゃべりしたりするときに必ず必要になる能力だからです。

誰かの話を聞くとき、私たちは無意識のうちに相手の立場に立っています。(これは、相槌を打つ、という簡単な行為でも確かめられます。) 相手の立場に立つためには、「追体験」という行為に慣れなければいけません。

 

お子さんは、見ず知らずの人の言うことには耳を傾けなくても、お母さん・お父さんの声なら、素直に耳を傾けてくれるでしょう。これが「話を聞く」第一歩です。また、親が読み聞かせをすることで、「追体験」の第一歩にもなるでしょう。

 

そして、この「話を聞く」ことが、教育を受けることよりも初歩的なレベルのことなのは明らかだと思います。

 

ですから、もし読み聞かせをしなければ、

  1. 読み聞かせをしてもらっていないので、「追体験」に不慣れのまま小学校に入学してしまい、
  2. 「先生や友達の話を聞く」という学校生活を送るうえで最も大切なことの1つができないので、
  3. 先生の指導で新しいことを学んでいく(=教育を受ける)ことが難しい

という風に、英語以前の教育を受けることすら厳しい、悪いスパイラルに陥ってしまうかもしれません。

それほど、子どもたちが成長していくうえで、「読み聞かせ」は教育を受けるための土台作りとして、大きな役割を果たしているのです。

 

では、ここで質問です。

子どもの将来に大きく関わる「読み聞かせ」を、お母さん・お父さん自身も不慣れな英語で、しっかりとできるのでしょうか?

 

ほとんどの日本の子どもは、生まれてからずっと、日常生活では日本語にしか触れてこなかったと思います(テレビの英語教育番組や塾などは除きます)。そのため、子どもたちには既に、「日本語で物事を考え、伝えようとする力」が備わり始めています。

そんな段階で、新しく英語の読み聞かせをして、子どもたちの頭を掻きまわしてもいいのでしょうか?

 

ほとんどの読者の皆さんは、自信をもって「YES」ということはできないでしょう。むしろ、「NO」と答える方が多いと思います。

 

けれども、もちろん不安もあるでしょう。学習指導要領が変更となり、小学生の間から本格的な「英語」の授業が始まります。

「早いうちから、英語に慣れさせておいた方が良いんじゃないの?」

なんていう声が聞こえてきそうです。

 

しかし私は、英語の本格的な勉強は、学習指導要領に沿って学校で教わっていくので十分だと思います。

 

 

理由② 英語教育は、学校のカリキュラムに沿ったスタートで良い

こう言い切ることができるのは、私自身が、中学校に入ってから初めて英語を本格的に勉強し始めたからです。

話を進めるよりも、私自身の英語勉強歴を見てもらった方が早いと思うので、お見せします。(ちょっぴり自慢させてください)

 

【0才~8才(小2)】

母親にたくさんの本を読み聞かせ(日本語で)してもらい、5才ごろから次第に自分一人でも絵本や児童書を読み始める。英語に関する英才教育はまったく無し

【9才(小3)~10才(小4)】

たったの1~2年だけ週1で英会話教室に通うが、文法や単語などはほとんど教わっていない。本を読むのが大好きで、読書中は母親の声が聞こえないほど、本に没頭してしまう。

【11才(小5)~12才(小6)】

中学受験に専念するため、英会話教室をやめる。相変わらず本の虫

【13才(中1)】

晴れて、奈良県の名門中高一貫進学校(男子校)に合格! ここで初めて、本格的な英語の勉強がスタート。簡単な単度の綴りも覚えていないが、読書が好きなので、英語の文章もあまり苦にならず、楽しんで読める。

【14才(中2)】

中学卒業程度のレベルの英検3級に余裕で合格!

【15才(中3)】

高校卒業程度のレベルの英検2級に合格!(1度目は惜しくも不合格だったが、2度目で合格)

【現在16才(高1)】

大学中級程度の英検準1級の合格と、海外大学進学を視野に入れて勉強中。

 

こんな感じです。英語の勉強を本格的に始めたのは中学に入ってからです。

しかし、読書好きが幸いして英文を読むのがあまり苦にならず、学校での成績も最上位5%ぐらいを推移していますし、なんといっても、中学卒業前に高校卒業程度の英検2級を取ることができました。

 

これは、母親が積極的に日本語で読み聞かせをしてくれたことで、日本語でしっかりと考える力が育まれるのが阻まれず、むしろ、推進された、ということが大きな役割を果たしたのだと思います。

 

事実、私は友達から、よく聞き上手だと言われますし、小学校1年生のときから、担任の先生の話もしっかりと聞けていたのではないかと思います。

 

そのおかげで、中学に入ってから英語を勉強し始めたにもかかわらず、こうして他人に見せても恥ずかしくない実績を積み上げることができています。

もし、母親が英語で読み聞かせをしていたら……私に考える力は今ほど育っておらず、今通っている私立中高一貫校にも受からなかっただろうと思います。

 

以上のことから、私は

  • 読み聞かせは日本語で良い(英語でやるのは逆効果)
  • 英語の勉強は急いでやらなくても大丈夫

だと思っています。

日本語での読み聞かせが、

  • 子どもが読書に対して抱く抵抗感を無くし(芽生えさせず)
  • 追体験」できる力をつけ
  • それでいて、将来、十分な英語力を身に付けていく

ために、最も重要なことだと言い切れるのです。

 

 

理由③ そもそも英語での読み聞かせのためには、親の負担が必要以上に爆増する

いくつかの「英語で読み聞かせしましょう」系の記事では、「もし、英語の発音に自信が無ければ、YouTubeの動画や録音音声を活用すればいい」というようなことが書かれています。

 

しかし、ここで忘れてはいけないのが、「なにを読ませれば良いのか」ということ。別の「英語で読み聞かせしましょう」系の記事では、ほんの十数冊だけ「おすすめの海外絵本」という形で紹介されいますが、十数冊のうち実際にお子さんの好みに合うのは数冊だけでしょう。

 

すると、その数冊を読み終えてしまえば、お母さん・お父さんは、Amazonなどで、海外の絵本を探さなければいけないのです。その際、選ぶ判断基準として使えるのは

  • 英語で書かれたレビュー
  • 意味不明な機械翻訳されたレビュー

の二つだけ。これでは、いくら時間があっても、満足のいく絵本を見つけるのは至難のわざでしょう。これが、「爆増する負担」の正体です。

また、児童書によっては朗読CDなどがついていないこともあるでしょう。その場合は、お母さん・お父さんが事前に発音の分からない単語について調べておく必要が出てきます。これも負担になるでしょう。

 

こうして、日本語で読み聞かせをしていれば、もっとたくさん本を読むために使えたであろう貴重な時間を、英語でやろうとしたがために、本の選択と下調べに費やしてしまうことになるんです。

 

 

 まとめ ~それでも、英語で読み聞かせをしたいと言うならば、別に否定はしません~

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私が、「読み聞かせは英語でするな」と言い切れるのは、次の3つの理由があります。

理由➀ 読み聞かせは、教育を受けるための土台作り

  • 「相手の話を聞く」ことへのベースを、読み聞かせによる「追体験」で育む
  • そして、あわよくば、本好きな子になってほしい

読み聞かせは教育を受ける土台になるので、そこに教育を取り入れては効果がなくなる。

 

理由② 英語教育は、学校のカリキュラムに沿ったスタートで良い

  • さいころから(日本語で)たくさん読み聞かせをしてもらっていたので、英文を読むのが苦にならない
  • 中学校に入ってから英語を勉強し始めて、中3で英検2級を取得できた

英語教育は急がなくても十分間に合うので、焦らなくても大丈夫。

 

理由③ そもそも英語での読み聞かせのためには、親の負担が不必要に爆増する

  • 読み聞かせをする絵本や児童書を、英語で探さなければいけない
  • 朗読CDなどがついていない本ならば、親が自分で読み聞かせをする前に、わざわざ単語の発音などを調べておかなければいけない

⇒これらの作業は時間の無駄。それをしている時間があれば、日本語でもっとたくさんの本を読み聞かせしてあげてほしい。

 

もちろん、英語での読み聞かせにも、いくらかのメリットはあると思います。ですから、これだけのデメリットがあると分かっていながら、英語で読み聞かせをしたい、というのなら別に否定はしません。

 

なんといっても、読書は自由にやるのが一番ですから。

お子さんが楽しめるかどうか、これが最も重要なことです。

 

例えば、

  • お母さん・お父さんに十分な英語のスキルがあり、英語での読み聞かせでも、子どもを楽しませてやれる
  • 家の教育方針として、子育ては英語ですると決めている

などの場合は、むしろ英語で読み聞かせをしてあげる方が子どもにとっても良いかもしれません。しかし、

  • 英語だと、絵本をつっかえつっかえ読むことしかできない
  • 子どもに本を読んであげるよりも長い時間を、本を探すのに費やしてしまう
  • 大人が音読することで精一杯で、本を楽しむ余裕がない

という場合は、英語での読み聞かせはやめたほうが良いと思います。

 

ご家庭それぞれの事情に合わせて、英語での読み聞かせの選択肢も現れてくるかもしれません。

 

けれども、決してこのことを忘れてはいけません。

読み聞かせでは、親が率先して楽しむことで、子どものなかで読書好きになる芽が芽生える。

 

英語での読み聞かせのデメリットを知った上で、子どもと読み聞かせを楽しむには日本語が良いのか英語が良いのか、もう一度考えてみてください。

「いろんなサイトでオススメされているから」というだけで英語の読み聞かせを始めるのは、私にはあまり良いことだとは思えません。

 

 

日本語での読み聞かせをしようと決めたあなたへ

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関西の図書館や書店などで無料配布する予定なので、見かけたら、ぜひ手に取ってみてください。

 

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